0011 中央 アタル (98/142)

セキュリティに仲間がもう1人来るから、並ばせずに入れてやって欲しいと頼むと、あっさりと承諾してもらえた。


中に入る直前に、中野タイジュにクラブの場所を記したメールをする。


つくづく思うが、今日は足立シヲリを連れて来て正解だった。


ドア付近から重低音を感じていたが、クラブの中は凄まじい音で面を食らう。


英語の歌詞はほとんど聞き取れないが、今はジャマイカという単語を繰り返すレゲエミュージックが流れている。


酒と混じった複雑な匂いがする。床に酒がこぼれて、放置していたような匂いだ。


それに熱い。


想像ではダークでイカれた感じだが、実際はなんというか情熱的でオシャレな雰囲気だ。


音こそガチャガチャしてうるさいが、暗い室内で多くの人間がそれぞれ音楽を楽しんでいる。


ムーディーというか、思ったより年齢層も大人っぽい。


男女ペアでいる者たちもいるが、男と女のグループが別れているな。


初めてクラブ↑という場所に入ったが、なんだか今はさらにドキドキしてきた。


だが俺たちの目的はゼンイチを探しだすことだ。


音に乗って汗を流すことではない。


周りをキョロキョロしていると、足立シヲリに肩を叩かれた。