0011 中央 アタル (92/142)
「どうした?」
足立シヲリはしばらく携帯の画面を眺め、独り言を呟いた。
「何この黒」
黒?
「あ いや なんでもないです」
「SCMの反応でも映ったのか?」
「いえ 何でもないです」
何だ?着信で画面が変わったか?
だが今はゼンイチを追いかけるのが最優先だ。
「あ!」
うお。ビックリした。
「なんだ 今度はどうした」
「ゼンイチが もう1個の黄色反応と合流しました」
なんだと。
チラリと足立シヲリが見せてきたGPSを見ると、確かに2つの黄色○が重なりつつある。
「これって 」
「杉並ルシエという女の可能性が高いな」
「杉並ルシエ? ルシエ」
足立シヲリがルシエの名前を意味深に口ずさんだ。
そして俺を見て言う。
「中央さん ゼンイチの部屋にあったデリヘルか何かのチラシにルシエって子いませんでした?」
あ。
俺はポケットから、ゼンイチの部屋で手に入れたデリヘルのチラシを取り出した。
チラシに掲載された写真の女の下には、間違いなくルシエと書いてある。
本名かどうかは知らんが、こんな名前、そうそう被らないだろう。
「間違いない この女が杉並ルシエだ」