0011 中央 アタル (91/142)
「GPSは?」
「ゼンイチの反応はあります とりあえずこの道を真っ直ぐです」
俺の問いかけに対し、足立シヲリは携帯と道の向こうを交互に見ながらすぐに答えた。
「お 早いな」
「いやあ さっきからずっと把握してたんですよ」
相変わらず携帯をイジったままの返答だったが、その言葉でずっと携帯をイジっていた理由が分かった。
この女は常に、ゼンイチの反応を追っていてくれたのか。
「ただ動きが早いんです 多分タクシーか何か乗りました」
通り過ぎていく電灯に、瞬間的に照らされる足立シヲリの横顔が妙に印象的だ。
「問題ない この時間帯で5時間ノンストップで動き回るのも難しいだろう」
そして、俺の車はガソリンを満タンに入れてある。
「これから5時間 常に奴を追い続ける」
足立シヲリは俺の方を見て「はい」と答えた。
同時に俺は車のスピードを上げる。
方向的には、人気(ひとけ)が無い場所を避け、栄えた地域に向かっているな。
「あれ?」
足立シヲリに道を指示してもらいつつ、車を走らせていると、彼女は突然疑問の声を上げた。