0011 中央 アタル (79/142)
足立シヲリは少し考えた後、口を開いた。
「じゃあ しりとりで」
なんでしりとりなんだ?
まあ、なんでもいいんだが。
俺は目黒に脅すように言う。
「勝負はしりとりだ 分かってるな 絶対に負けろ」
「わかった」
目黒はさっきよりも落ち着いた様子で、そう答えた。
目黒が勝負を了解した瞬間、足立シヲリと目黒の口から『カチッ』という音が聞こえた。
自然と初めは足立シヲリだった。
「えっとじゃあ しりとり」
「り りんご」
重傷のケガ人に、呑気にしりとりをさせるのは酷だが、今は従ってもらう他はない。
「ご ゴリラ」
次は目黒の番。
「ら ら ラーメン」
目黒は、あっさり負けてくれた。
毎回、こうやって脅しで簡単に勝負が着けられたらいいが、そういう状況を作るのも難しい。
2人の口から、また口に含んだ乾いた音が聞こえる。
「う ぶ」
目黒が突然えずきだした。
俺は慌ててバックからタオルを取り出し、目黒の口に当てる。
一瞬はケガが原因かと思ったが、これはSCMで奴隷になった副作用だろう。
こいつ、主人が何周か変わっている。
とにかく今は、足立シヲリが目黒の仮の主人となった。
土壇場だが、勢いでなんとか成功したな。