0011 中央 アタル (78/142)
俺はジュリアに連絡し、状況を簡潔に伝えた。
結果、リュウオウからゼンイチとズシオウマル以外であるこの男との勝負の許可を貰った。
他にも話したことがあるが、とりあえず今は男を奴隷にするのが最優先だ。
必要な条件はクリアした。
「おい 起きろ」
目黒という男は強く目を瞑ったままだが、ブツブツと「いてえ いてえ」と言い出した。
まだ錯乱に近い状態だが、意識は戻ったようだ。
「納得できないだろうが 命が欲しかったら今すぐ勝負を受けろ」
俺が足立シヲリを見ると、彼女はすでにSCMを取り出し、口に取り着けようとしていた。
物分かりがいい。俺はゼンイチとの勝負に負けたとはいえ、保留モードの状態。
今この場でこの男と勝負ができるのは、足立シヲリだけだ。
「この子に勝負を申し込め」
「きゅうきゅうしゃ」
すまん。もう少し待ってくれ。
俺は目黒の耳元に、精一杯ドスを効かせた重い声で、脅すように言う。
「いいからやれ このままだと死ぬぞ」
今は俺も必死なんだ。
目黒は理解したのか、目をわずかに開けて足立シヲリに言う。
「おれとしょうぶをしてくれ」
それでいい。
「何でもいい 簡単な勝負をしろ」
この男の心はすでに折れている。
以前、足立シヲリを奴隷にした時と同様、敗北感も容易に引き出せるはずだ。
あの時、奴隷になった彼女が、今度また同じ様な状況で別の人間を奴隷にしようとしている。
皮肉だな。