0011 中央 アタル (69/142)
アパートの階段がガタガタと鳴り、ゼンイチがダッシュでこちらに向かって来るのが分かった。
「中央さん あの 」
「このままゼンイチを捕まえる」
あんなアルティメットバカに、24時間も使ってやらねえ。
俺は車をバックさせ、アパートの出入口付近に待機させた。
足立シヲリは不安そうに、フロントガラスの先と俺を交互に見る。
そしてすぐに、アパートから大柄な人影が見えた。
今だ。
人影が見えた瞬間、俺はアクセルを踏む。
ブオオオオオオ
車は真っ直ぐに発進した。
「え?ちょ!中央さん!」
ゼンイチ、悪いな。
俺は今イッライラしてんだ!
ヅガン! ダン ガッ
「キャア!」
フロントバンパーに大きな物が当たる音と共に、足立シヲリが悲鳴を上げる。
酷なもん見せてすまんな。
リュウオウから、ゼンイチには手段を選ぶなと言われているんだ。
ボンネットからフロントガラスにかけて、人の体が乗り上げている。
フロントガラスに足が乗り、上半身はボンネット側だ。
見事に転げ乗った感じだな。
強気な足立シヲリでさえ、フロントガラス越しに広がる光景に放心状態になっていた。