0011 中央 アタル (60/142)
解放自体の方法は知っているが、それは主人が任意でやるもの。
リュウオウに限ってそんなことをするのはありえない。
「僕の言葉忘れないで下さい 僕なら最終的にあなたたちを解放します」
やれるもんならやってくれ。
俺は心でそう返しながら、また歩き始めた。
早めにこの場を去るのがいい。あんなヨタ話、聞いてはいられない。
「こんなあっさり諦めて いいんですか?」
足立シヲリが心配そうに聞いてきた。
「他にいい方法があるなら 教えてくれ」
その言葉で足立シヲリを黙らせた。
悪いが今は話しかけるな。
若さってのは、見聞きしててイライラする。
できない事と、できる事が分かっていない。
ネガティブな奴も嫌いだが、バカなポジティブは何でもできると思っていやがる。
世の中にはできそうで、できない事もあるんだ。
あの2人と遭遇した場所から、パーキングに戻った。
道路から曲がり、パーキングの敷地に入った所で、足立シヲリは気まずそうにまた顔を向けてくる。
「中央さん あの人が言ってたのって 」
大田ユウガが言っていた、解放の話だろう。