0011 中央 アタル (52/142)

パーキングに着く直前、電灯が光る住宅街の夜道。



ズシオウマルが突然 立ち止まり、今来た道を振り返った。



今まで素直に従っていたはずだが、足立シヲリが手綱を引っ張っても、ズシオウマルはそこから動こうとしない。



「どうしたの?」



足立シヲリは不安と不思議を混ぜた表情で、ズシオウマルを見る。



夜道の先を見るズシオウマル。



俺はすぐにポケットから携帯電話を取り出した。



そしてブックマークしてあるSCMのGPSサイトを開く。



直感的に、夜道の先にゼンイチが近付いているのではと思った。



俺の様子に、足立シヲリも状況が分かったようだ。



力いっぱい手綱を引っ張ってはいるが、ズシオウマルも断固としてその場から動かない。



GPSの画面がやっと開いた。



画面の中心にはズシオウマルの赤。



俺と足立シヲリはSCMを着けていないから、GPSに反応は出ない。



そして、ズシオウマルの赤○と重なるほど近くに、もう1つの反応がある。



その色は



「ちぃ!」



俺は足立シヲリが持つ手綱を奪い、それを引っ張った。



ゼンイチなら奴隷の黄色のはずだ。



俺は嫌な予感を感じていた。



もう1つの反応も、主人の赤だ。