0011 中央 アタル (51/142)
「どうやったら 」
足立シヲリはその先を言わなかった。
恐らく何も言えないんだろう。
俺もその先を何度も考えた。
どうやったら
俺たちは解放される?
だが、それを堂々と発言したり行動するには至らない。
いい加減だったり、あやふやな要素も多いが、SCMは主人にとって徹底的に都合よくできている。
俺たち奴隷自身の発想で出てくる、主人に歯向かうような行動は、SCMの作用であろう嫌悪感や不快感や恐怖心で抑えられてしまう。
やがて解放や反逆を考える回数も、減っていくんだ。
思考の自由ですらやがて奪われ、ジュリアの様に心まで主人に捧げる。
もう改めて考えたくもないが、俺たちは奴隷なんだ。
今も足立シヲリと俺の間には、さりげない悲しみと重い空気が流れていた。
話を変える言葉も見つからん。
ズシオウマルだけ、トコトコと平気そうに歩いている。
こいつは主人SCMだったな。
この野郎。幸せそうな顔しやがって。
俺は声に出さずに舌打ちの表情を作り、珍しく嫉妬のような感覚を感じていた。
俺も足立シヲリも、首輪を付けられ、手綱を引かれるこの犬以下なんだ。