0011 中央 アタル (49/142)

俺はすでに玄関に歩き始め、壁に飾られたジャマイカの国旗に光を当てていた足立シヲリも、俺に着いて来る。


そして部屋でおとなしく座っていたズシオウマルを呼ぶ。


「おいでズシオウマル」


ズシオウマルは玄関にいる俺たちを見ると、1度部屋を振り返る。


そしてゆっくりと立ち上がり、素直に俺達に着いて来た。


よしよし。いい子だ。


俺はカバンから用意しておいた手綱を取り出し、足立シヲリに渡した。


「中央さん 用意いいっすよね」


「まあな」


犬を捕まえるのに、手綱ぐらい必要なのは想定できる。


荷物になるのは嫌だが、前回取り逃がした反省から、準備はできるだけしてきた。


ズシオウマルの首輪に手綱を引っかけようとした際も、ズシオウマルは素直に足立シヲリに従う。


手綱は足立シヲリに持たせ、彼女と犬が部屋を出るのを確認すると、俺はもう1度ドアに鍵をかけ、鍵は元あったポストに入れる。



よし。目的の1つは果たせた。



あとは車に乗り込み、一夜明けてからリュウオウの元にズシオウマルを連れて行くだけだ。


俺と足立シヲリはズシオウマルを連れて、足早に来た道を戻る。


パーキングに停めた車に戻れば、ひと安心できる。