0011 中央 アタル (48/142)
こんなもんポスティングして。
捕まっても知らねえぞとか思いながら、まじまじとチラシを見てしまった。
デリヘルのチラシには珍しく、在籍している女の子の写真が載っている。
写真が載っているのは1人だけだが、モザイクなどで顔を隠すなどの処理が無い。
この子、なかなか可愛いな。
名前は ルシエ?
へえ。
デリヘルの広告で顔をさらすなんて珍しい。
可愛いのに人生投げているな。
チラシに向けていた視線から、ふと横を見ると、足立シヲリも俺の肩から顔を覗かせて広告を見ていた。
そして広告から俺に視線を移し、目が合う。
無表情だが、スケベな男を初めて見る少女みたいな顔だ。
足立シヲリは俺と目が合うと、後ろに振り返り、また部屋を物色しだした。
何も言わなかったが、なんだよこの気まずさは。
足立シヲリに引かれつつも、俺はさりげなくチラシの1枚を2つ折りにして、自分のポケットに入れた。
そして、カバンから事前に用意しておいた、俺の携帯電話の番号を大きく書いた紙を取り出す。
そして足立シヲリの背中を見る。
「そろそろ行くか」
「あ はい」