0011 中央 アタル (40/142)
この女は男勝りというか、勇敢過ぎるというか。
まったく。
おとなしくしてりゃあ、いい女なのにな。
気を取り直して、俺は隙間から部屋を覗き込んだ。
足立シヲリとのやりとりのお陰で、さっきよりも緊張感は無い。
部屋の先は暗いが、今のところ異常は無かった。
すぐにドアをさらに開け、足立シヲリと中に入る。
玄関は狭いが、入る直前から人の家独特の生活臭がした。
そしてこの臭い。
犬や猫独特の動物臭もする。
開いたままのドアから漏れる、外からのわずかな光で、足立シヲリが壁に手を当てて何かを探していることに気付いた。
俺はすぐに足立シヲリの手を掴み、それを止めさせる。
「え?」
「電気は点けるな」
足立シヲリは電気のスイッチを探していたのだ。
「でも」
「窓から見て一瞬でバレる」
俺は持っていたバックから、懐中電灯取り出し、それを足立シヲリに渡した。
「窓の方には当てるなよ」