0011 中央 アタル (33/142)

一瞬の間の後、足立シヲリはさらに聞いてきた。


「じゃあ元ヤンとか?」


最近の若い子はズケズケ聞いてくるな。


「俺 元ヤンに見えるか?」


俺は足立シヲリに顔を向ける。


「いやなんか 妙に落ち着いてるから」


「ケンカは負けたことないんだ」


「へー マジっすか?」


ふふ。今のセリフちょっとカッコイイな。


まあ、本当はケンカなんてしたこと無いんだけどね。


したことが無いから、負けたことが無い。


嘘ではないよな。


実際はマンガで読んだ護身空手の練習を部屋で3分くらい、シュッシュッとしたことしかない。


前に中野タイジュに「俺は強いよ」的なことを言ったが、正直あれは雰囲気と勢いで言った自信のみの発言だ。


偉そうな態度と体がデカく生まれたお陰で、なんかみんな俺がケンカが強いと勝手に思ってくれる。


その内に、俺も自分が強いんじゃねえかって気がしてきた。