0011 中央 アタル (34/142)
ゼンイチと殴り合うなら、自分の力を試すいい機会だ。
32歳中央アタル。
今、自分の本当の力を試せる時が来た感じだな。
「まあ 心配するな」
「あ はい」
俺の言葉に、足立シヲリは納得した様子を見せる。
今の俺、カッコいいな。
足立シヲリとそんなやりとりをしている内に、ゼンイチのアパートの前に着いた。
だが、2階の角部屋の明かりは相変わらず点いていない。
足立シヲリは、そのままアパートの敷居に入ろうとする。
俺は立ち止まり、片腕を足立シヲリの前に置いて彼女を止めた。
何も言わない足立シヲリだが、疑問の表情でこちらを見る。
俺はポケットからSCMを取り出し、口の中に装着した。
『 キュ 』
一瞬のアラーム反応の直後、すぐにSCMを外す。
足立シヲリは相変わらず、俺の行動を理解していない。
「恐らく 部屋に犬はいる」
俺が低めの声で足立シヲリに伝えると、足立シヲリは黙ってうなずき、初めて理解した合図をする。