0011 中央 アタル (29/142)
「ゼンイチの資料は読んだか?」
「あ はい メールは読みました」
俺が話を切り替えようとすると、足立シヲリはそう言った。
足立シヲリには事前に、俺が調べておいたゼンイチの資料をメールで送ってある。
足立シヲリはテンション高めで俺に体を向ける。
「あいつ 小卒なんすね!」
ゼンイチを調べる中で、あいつを知る人間に聞き込み調査を行った。
警察沙汰が多かったらしく、みんな慣れた様子で話してくれたよ。
俺も初めて聞いた時はビックリしたが、ゼンイチは中学を途中から断固として行かず、最終学歴が小学校らしい。
そんな奴本当にいるのかと思ったが、実際にいるから驚きだ。
「さらに傷害 窃盗 集団暴行 逮捕歴もある まあフダツキってやつだな」
「サイテー野郎すね」
足立シヲリの食い付きがいい。
こういう話好きなのか。
「昔は愚連組んで悪さばかりしていたみたいだが 23歳の現在は仲間も落ち着いて ゼンイチ本人もだいぶおとなしくなったみたいだがな」
「そうでもなさそうっすけどね」
足立シヲリは不機嫌そうに、また窓から見える夜の街に顔を向ける。
ふと横目で足立シヲリを見ると、化粧で目立ってはいないが、頬に少し腫れがある。
そういえば、足立シヲリはゼンイチに暴行を受けていたな。