0011 中央 アタル (28/142)
「だが あまりそんな細かいことまで気にしなくていいと思うぞ」
足立シヲリは携帯から俺に顔を向けた。
「なんでですか?」
「キリが無い」
俺がそう言うと、足立シヲリはまた黙りだす。
別に会話を終わらせるつもりはない。
ただ、SCMはあらゆる状況を想定して考えてもキリが無いんだ。
リュウオウはとことんSCMを研究して、分かった事を俺や他の奴隷にある程度教えている。
俺からしたら、そのある程度以上の知識、例えば今足立シヲリと話した状況なんかも、考えてもキリが無いんだ。
答えが分からない疑問もいくらでも出てくる。
以前にもどこかで言ったが、SCMは天才が開発して凡人が設定した代物なのは確かだ。
機能こそ隙は無いが、説明書には矛盾や、あやふやな点が多い。
想定したり把握するのは大切だが、俺は実際にその状況に置かれてから問題を突破するタイプだ。
一番言いたいのは、懸念したって、未来は分からん。
思考したことは無駄ではないし下らない妄想もするが、夢も希望もない『もしも話』に興味が無いだけだ。
俺は主人に言われた指示を、淡々と実行していくだけなんだ。