0011 中央 アタル (26/142)
今度はハッキリと、不思議そうにこちらを見る足立シヲリが分かった。
ダメだ。マズイ。
このままじゃ俺はクールなお兄さんどころか、変なおじさんになってしまう。
「グッ」
しまった。変なおじさんで、あのお方を想像してしまった。
このままじゃ俺はクールなお兄さんどころか、変なおじさんになってしまう。
なぜ繰り返す。ダメだ。ドツボになる。
気を紛らわそうと、俺はラジオを付けた。
ラジオからは、洋楽のレゲエミュージックが流れ始める。
しばらく音楽を付けたままにしていると、足立シヲリは窓の外を見ながら、微妙に体を動かしていることに気付いた。
肩を軸に小さく体を前後に動かし、ラジオから流れる音楽のリズムに乗っている。
「レゲエ 好きなのか?」
「あ はい クラブとかもたまに行くんすけど 中央さんも好きなんですか?」
俺の質問に、足立シヲリはそう返した。今までのような素っ気ない感じがない。
「いいや 特に」
だが俺はレゲエなんて興味ない。
足立シヲリは「そう すか」と静かに言いながら、また窓の外を見始めた。
また会話が止まっちまった。
俺のバカ!