0011 中央 アタル (22/142)
そんなことを考えていると、足立シヲリが時間通りに店から出て来た。
俺の車にはすぐ気付いたようで、カツカツとヒールを鳴らしながら車に近付いて来る。
ガードレールを軽くまたぐ足。
おお。ヒールの効果もあるだろうが、足長いな。
そして、開いた助手席の窓から顔を覗かせてきた。
足立シヲリ 19歳 A型。
目鼻立ちは幼いが、メイクは濃いめで大人ぽく見える。
服は腰までしかない濃いピンク色のダウンジャケットを着ていて、髪はサイドを編み込み、首の横からボリュームのある髪の毛が片方の胸元を隠している。
一言で言ったら、ダンサーみたいな雰囲気だが、個人的にはブラジル人のBガールみたいだな。
久しぶりに会うが、見た目は悪くない。
「開いてるから」
助手席のドアの鍵が開いてることを伝えると、足立シヲリはドアを開けて車に乗ってきた。
車に乗った瞬間、女が付ける香水独特の甘い匂いがする。
「あ お疲れ様です」
乗り込んだ足立シヲリは、まずそう言った。
声のトーンは低く、素っ気ない。
「ああ」
俺も相づちだけ打って、車を発進させた。
改めて会って分かったが、やっぱりこの女は俺のことが気に入らないようだ。