0010 文京 ゼンイチ (77/90)
俺は早速、チャックを開けようとした。
「う ぶっ」
次の瞬間、女は突然寝ゲロを吐いた。
人がありがたいもん見せてやろうとしてんのに、何だよこの女。
俺はチャックを開けるのを止めて、携帯を取り出し、目黒に電話をする事にした。
車で迎えに来させて、女を運ぶしかないな。
目黒ん家で楽しむか。
しかし、携帯の画面は黒くなっていた。
「ちぃっ」
充電切れだ。俺は思わず舌打ちをする。
周りには公衆電話も無いし、人通りも無い。
女のポケットをまさぐって、携帯を見つけたが、女の携帯も充電が切れていやがった。
なんだよ、この奇跡的なタイミングの悪さ。ふざけんなよ。
目黒の家までそんなに遠くは無い。寝ゲロを吐いた、この女を担いで行くしかねえか。
「おい 起きろ」
俺は女の頬をペシペシと叩く。
女がわずかに目を開けた。
「立て 歩け」
俺がそう言うと、女はヨロヨロと立ち上がり始める。
さらに歩こうとはしているが、今にもぶっ倒れそうだ。