0010 文京 ゼンイチ (72/90)
それにしてもこの女、なかなか可愛いな。編んだ髪も、俺の好みだ。
少し酒臭いが、酔っていたのは本当か。
こいつら一体、何の勝負をしていたんだ?
俺はジャージ女の首を腕で組み、人質みたいな体勢で聞く。
「お前が主人ぽいな」
「離せよ!」
女は足や腕で暴れ、俺に抵抗しだした。
顔は可愛いが生意気だな。こういう調子こいたガサツな女、大嫌いなんだよね。
「イッ」
女の抵抗は大したこと無かったが、ヒザに激痛を感じる。
女のつま先が、俺のヒザに当たったんだ。
そこはシンノスケに踏まれた所だった。
このアマ!痛えな!
ゴツ!
「ぐぅ」
俺は痛みにイラッとし、反射的に、その女をぶん殴った。
「女だぞ!」
もう1人、逃げた女が立ち止まって、俺に何か叫んでいるが関係ねえ。
ゴツ!
俺は抵抗するジャージ女を、もう1発殴った。
「っざけんな!」
もう1人の女が、やたら低い声でそう叫ぶ。
いきなり俺に向かって走り出し、勢いよく飛び上がって来やがった。