0010 文京 ゼンイチ (69/90)
俺は頭ん中で愚痴りながら、改めて携帯を見た。
だが相変わらず、携帯のGPSには俺と目黒以外の反応が現れない。
それから俺はしばらく目黒の部屋で、ダラダラ時間を潰した。
時々目黒が俺にデリヘルのチラシについて、質問してきたりするのを適当に答える。
目黒は知人に電話し、チラシをどこで刷るかなど聞いていた。
チラシはパソコンで打ち、そっから印刷できるみたいだ。
そっちの作業も一通り終わり、それからも何度かGPSを見たが、反応は一向に現れない。
時間が夜中の1時になった頃。
今日はもう寝てしまおうかと思った。
目黒は床で寝かせ、俺は靴下を脱いで布団に入る。
寝る前の最後の確認に、GPSを開くと。
「おい 目黒 これどの辺だ?」
「え?」
GPSに、俺と目黒以外の黄色と赤反応が現れた。
「ここは 近くの公園です 歩いて5分くらいの」
目黒がそう言って、部屋の外を指差している間に、俺はすぐに靴下を履き、上着を着て家を飛び出した。
出た瞬間、思い出して家に戻り、目黒から俺の携帯を奪い返す。
そしてまた部屋を飛び出した。