0010 文京 ゼンイチ (66/90)

「外したか 勝負を始めたのかもしれません」


「は?」


ルシエはめくったページを見せてきた。


「SCMは外したら 普通に接近した時のアラームが鳴らなくなり GPSにも反応が出なくなります」


ルシエが見せてきた説明書のページ数は250ページ。


「さらに 勝負中も アラームが鳴らなくなり GPSの反応も出ないんです」


ほお。こいつ、よく知ってんな。


説明書には待機モードやら勝負モードやら、何か書いてあったが、ルシエの話の通りなんだろう。


「ってことは その2つの緑反応は単にSCMを外したか 勝負を始めたってことか」


「はい」


俺は立ち上がり、上着を着た。


「あの」


「俺は今からその緑共を探す お前はせいぜいデリヘルで男が喜ぶ方法でも考えていろ」


何か言いたそうなルシエを背中にして、俺は玄関から外に出た。


奴隷が一気に2人も手に入るかもしんねえ。ウダウダしていたら、逃げられちまう。


ルシエの家の最寄り駅から電車に乗り、最後に反応があった隣町の駅に着いた頃、時間は夜の20時を回っていた。