0010 文京 ゼンイチ (65/90)
「そんなに嫌ならさあ 他の女捕まえて来いよ」
俺のその言葉で、ルシエは顔を上げた。
「他の 女?」
「ああ 友達とかでもいいし 特にSCM着けてる女だよ お前1人じゃ稼げねえからな」
だが、現状ルシエは他のSCM所有者を知らないと言っていたな。望みは薄いだろう。
ルシエは真っ赤に腫れた目をこちらに向け、1~2秒黙った後に、口を開いた。
「そういえば今日 新しい反応が2つ現れて 消えました」
新しい反応が2つ?消えた?
「どういうことだ?」
俺が身を乗り出して、ベッドに片膝を立てて聞くと、ルシエは携帯を開く。
「今朝 この辺りに2つの緑反応が現れて消えたんです」
緑ってことは奴隷にも主人にもなっていない、フリーSCMか。
ルシエが指した場所は、ここからそう遠くない隣町周辺だった。
「なんで早く言わねえんだよ」
「すみません」
静かに謝るルシエだが、俺は無性に焦っていた。
もう2人、奴隷が手に入るかも知れないんだ。
「つうか何で反応が消えた?」
俺の疑問に、ルシエはSCMの説明書を取り出す。