0010 文京 ゼンイチ (58/90)
「あー 殴るね!気に入らねえ奴は全部ぶっ飛ばしてきた!」
ゴン
シンノスケの額(ひたい)に頭突きをかまし、眉間にシワを寄せてキメ顔をさらす。
だが、シンノスケは頭突きに怯む様子もなく、反抗的な目で俺を睨んでいた。
「頭きた」
「あ?」と俺が言った瞬間。
胸ぐらを掴まれ、すんげえ力で引き寄せられた。
とっさにまずいと思った俺は、わざとその場に転び、そのまま奴から離れた。
空ぶった、奴のヒジ。
シンノスケは、ヒジで俺の鼻を潰そうとしていた。
しかもなんだ、さっきの馬鹿力。
「テメー!」
俺が奴を見上げてそう言った瞬間、シンノスケは足の裏を、そのまま俺の腹に乗せようとする。
後ろに避けたが、足を踏まれた。
「んの野郎!」
俺はすぐに立ち上がり、また一歩後ろに下がった。
鼻にヒジ当てようとするわ、腹に全体重乗せようとするわ。
こいつ、さっきから必殺の急所ばかり狙ってやがる。
「あんたからふっかけてきたんだろ」
シンノスケはそう言うと、小さくジャンプし、走って俺に向かって来る。
「おお!」