0010 文京 ゼンイチ (52/90)

「文京くん?」


大体なんだよあのトサカみてえな髪型。男ならボウズだろ。


「おーい 文京くん?」


「あ?」


「え?」


あ。しまった。思わず会長を睨んじまった。


だが会長は不思議そうに俺を見ているだけだった。


「大丈夫?まあ 彼あんなんだけどなかなか面白い男でね」


会長はシンノスケが出て言った玄関の方を見ながら、そう続けた。


「とりあえずあいつ潰せば 俺が会長すね」


「あ うん 潰すっていうか 売り上げでね」


会長がそう答える間に、俺は立ち上がったままテーブルから一歩離れた。


「見てて下さいよ あいつ潰してあんたの後任になりますから」


「う うん 頼もしいね でね 話はまだ」


会長はまだ何か続けようとしたが、俺は1秒でも早くこの部屋を出たかった。


「要するに女使って金たくさん見せたら勝ちなんでしょ?」


時間がもったいねえ。シンノスケはもう動いてんだろ。


「うん まあ 大体そんな感じだね でね期限は来月末でね」


来月末?今月はあと10日もねえ。