0010 文京 ゼンイチ (51/90)
俺がタンカを切ると、獅子舞は目と口を開く。
「ぶほ すげえ 獣みてえ」
ふん。獣か。悪い気はしねえな。
「ごめんよ 気を悪くさせたんなら謝るよ」
そいつは素直に謝ってきたが、馴れ馴れしいタメ語な時点で俺は気に入らなかった。
「まー まー 2人はいい意味でライバルなんだから」
向き合う俺らの間に、会長が慌てて入ってくる。
「シンノスケくんもタバコ取りに戻ったんでしょ?悪いけど今見ての通りだから なんかあったら連絡して?ね?」
シンノスケ?この獅子舞野郎はシンノスケっつうのか。
顔覚えたからな。
会長にそう言われると、シンノスケは素直に一歩引いて、背中を見せた。
「うぃっす じゃあまた」
俺はシンノスケが部屋から出るまで、奴の背中を睨んでやった。
「いやあ文京くんは血気盛んだねえ そういう所 僕の若い頃を思い出すよ」
会長はそんなことを言いながら席に座っていたが、俺はあのシンノスケって奴の顔を思い浮かべてイライラしていた。
あいつマジ気に入らねえ。調子こいてるっつうか、あいつがいなきゃ俺はすんなりプラチナ会長なのによお。