0010 文京 ゼンイチ (47/90)
俺が出した封筒を、会長は一瞬黙り、目を丸くして見ていた。
「あ じゃあ ちょっと失礼」
次に、机の上に置かれた封筒を受け取り、その場で中の金を数え始める。
「ああ 確かに50万円だね」
当たり前だ。封筒にはキッチリ50万入っている。
会長は指でメガネの真ん中を少し上げ、俺を見た。
「大丈夫?これ キレイなお金?」
は?
「キレイってどういう意味すか?」
俺の質問に、会長は封筒片手に笑顔を作る。
「あはは いやね 以前盗んできたお金を持ってきた人がいてね 警察沙汰になって大変だったんだよ」
言いたいことがハッキリしないが、この50万はカツアゲした物を売ったのと、パチンコで勝った金と、奴隷にしたルシエから貰った金だ。
キレイもクソもねえ。俺が稼いだ。
「俺が努力して作った金っすよ」
俺の返しに、会長は一瞬黙る。
「ああ そう まあ ならいいんだけど」
んだよ。なんかイライラすんな。
「で 俺は会長になれるんよね?」
俺は机に身を乗り出して、本題を聞いた。
「ああ その件についてなんだけどね 実は他にも候補者が現れたんだ」
「はあ?」