0010 文京 ゼンイチ (35/90)

女は異常に興奮して、動物みたいな声を出す。


「離ぜ!離ぜえ!」


そういや前に、目黒にもレイプされてんだよな。トラウマってやつか。


「目黒 窓を閉めておやり」


俺がふざけた調子で指示すると、目黒は窓を閉めた。


「ほら 手伝え」


近付いてきた目黒に、俺はアゴで杉並ルシエの足を差す。


俺は両手、目黒は両足を押さえる。


「杉並ルシエだべ?」


俺が本人にそう聞いて確認しようとしても、女は相変わらずギャーギャー暴れようとする。


目黒を見ると、奴は静かにうなずいた。この半狂乱な女が杉並ルシエで間違いなさそうだ。


「さっきはよくもフライパンで叩いてくれたな」


「目黒お!目黒お!」


杉並ルシエは俺をシカトして、足を掴んでいる目黒を呼び続けた。


目黒はただ黙って下を向き、ルシエは子供みたいに鼻を赤くしてボロボロ泣いてやがる。



「目黒お!あたしを助けろお!」