0010 文京 ゼンイチ (33/90)

1階のサッシから登れそうだ。


「うっし!登るか!」


「え?忍び込むんですか!?」


目黒が慌てだした。


「何お前 正面玄関のガラス叩き破って突入すんの?勇気あんねー」


「いやそれは」


「じゃあさっさと登れ」


俺と目黒は、1階のベランダの冊子から2階に登っていった。


鉄製の冊子や、排水のパイプを握るとかなり冷てえ。


当たり前だが、登る為には出来てないからかなり登りにくい。体重で肩がきしみそうだ。


だが、登れない事はない。2階の杉並ルシエのベランダまで、2分もかからなかった。


俺の後すぐに、目黒が続いてベランダに立ち、真っ先に自分のアパートの外装を触って汚れた手を見ながら、その場にしゃがんだ。


俺は静かにガラスの窓に手を置く。


鍵は開いている。よっしゃ。


しゃがんだまま、窓をゆっくりと開けた。


静かに空いた窓の隙間から、女ん家独特の甘くて暖かい生活臭がする。


そしてカーテンの隙間から、わずかに化粧品が並んだ鏡台が見えた。


これから、この全部が俺のもんになると思うと興奮して勃起しそうだ。