0010 文京 ゼンイチ (32/90)
まあ俺を奴隷にしたって言って、部屋に入れてもらうのが無難か。
俺は大人しくインターホンに付いたカメラの方を見る。
数秒の間の後。
「ふーん とりあえず今日は帰って」
「え?」
帰れだと?
「あの でも」
目黒が何か言おうとしたが、インターホンはガチャリと切れた。
目黒が気まずそうに俺を見る。
俺はとりあえず正面玄関から出た。目黒も着いて来る。
何で奴隷の目黒を信用しない。
新しい奴隷が手に入ったなら会うだろ普通。
「んだよ俺がお前に勝ったってバレたのか?」
「恐らく」
「んだよ何でだよ!」
「携帯のGPSで 私達がSCMを着けていない事に気付いて怪しんだかと」
そうか。俺よりSCMを使ってただけあって、冴えてんな。
「あーそれか」
俺はそう答えながら、アパートの裏側、ベランダの方に歩いた。今さらだが3階建てだ。
着いて来た目黒に聞く。
「杉並ルシエの部屋どれ?」
「2階の1番左です」
なるほど。部屋の明かりが着いている。