0010 文京 ゼンイチ (31/90)
俺の発言に、目黒は前を見ながら答える。
「いえ そういった反抗も許さないのがSCMの怖さです」
んだよこいつ。なんか生意気だな。
俺が何か言おうとした瞬間、車は小綺麗なアパートの前で泊まった。
「着きました」
おっ、着いたのか。
「あの本当に行くんですか?」
車から出て立ち上がった瞬間、目黒は車越しでそんな事を言い出した。
「あ?今さら何言ってんの?」
「すみません」
なんかこいつのすみませんがイライラしてきた。
「おら 前歩け」
俺がそう言うと、目黒は前を歩く。
小さなアパートだが、初めの出入りにインターホンで鍵を開けてもらうタイプのアパートだ。
セキュリティ付きのアパートか。リアルに女が住んでるって実感に興奮してきた。
目黒にダイヤルのボタンを操作させると、インターホンから不機嫌そうな女の声がした。
「目黒?つうかあんた何で電話出ないの?」
「あの 奴隷にした男と取っ組み合ってしまって携帯を壊してしまって」
自然に嘘付くのはいいけど、ハタから聞いてても白々しいな。
「は?で 奴隷は?」
「彼です」
そう言って、目黒は俺を指さした。どうやらカメラでこちらが見えるらしい。