0010 文京 ゼンイチ (28/90)
目黒も慌てて上着を着て立ち上がる。
「あの 手荒な真似は 」
「ここの会計!頼むわ!」
俺はそう言って、会計を目黒の胸に投げた。
「え?あ 」
奴隷におごるとでも思ったかボケ。会計を済ませ、クソ寒い外に出る。
目黒は車で来たらしい。パーキングに停めた車まで案内させた。
「あの今日はお酒を飲んでしまったし 運転は」
目黒が言い訳がましいことを言い出した。
「お前の元ご主人様の所まで頼むわ」
「 はい」
一瞬の間の後、目黒はキーを回し、車を発進させる。
まあ前の主人裏切るのは気まずいんだろうが、知ったこっちゃねえ。
つうか散々奴隷として酷い扱い受けたんなら、仕返しできるチャンスを俺が与えるんだ。感謝しろよ。
「あの 近付く前にSCMを外した方がいいかと」
車内で目黒が突然そう言ってきた。
「は?何で?」
「30Mに近付くとアラームが」
あ、なるほど。
目黒は、これから会う杉並ルシエの奴隷じゃなくなったから、アラーム鳴るっつうか俺のSCMでも近付いたら鳴るよな。
俺はSCMをすぐに外そうとした。
だが待てよ?