0010 文京 ゼンイチ (21/90)
俺は奴の背中に、体重を乗せたジャンプキックをお見舞いしてやった。
ボフ!
「あが!」
勢いよく地面に倒れる目黒。
「はっ!いい歳なんだろうから観念しようよ」
俺は倒れた目黒を仰向けにし、馬乗りの状態で、奴のポケットをまさぐる。
右ポケットに、何かあった。
取り出してみると、案の定、それはハンカチに包まれたSCM。
自分以外のSCMは初めて見たが、何も変わらないんだな。
思わず匂いを嗅いでみた。
「くさっ!」
臭えなこいつのSCM。俺のもこんな匂いになんのか?
「ほら 着けろ」
目黒にそれを渡そうとするが、奴はただ黙って何もしようとしない。
バチン ゴヅ
俺は目黒の顔面にワンパンした。
俺のパンチより、後頭部がコンクリートに当たる方が痛いだろ。
「いでっ!」
「着けるまで殴る」
何も言わずに目を強く瞑る目黒を、俺はもう1回殴った。
バチン ゴヅ
「うぐぅ」
「言っとくけど 黙ってても俺は殴り続けるよ」
俺がそう言うと、目黒は崩れた表情を俺に見せる。
「は はあ 着ける!着けるから」
心底疲れた様な声で、目黒はそう言った。