0010 文京 ゼンイチ (20/90)

直後に、俺は奴のサイフから見つけた免許証を取り出した。


「何がクメガワだよ」


クメガワは偽名だった。免許証に本名が書いてある。



「嘘つけ目黒マサカズさんよお」



目黒とかいう男は、くやしそうに拳に力を込めていた。


俺は目黒の髪の毛を掴み、顔を上げさせる。


「SCM着けてないんだろ?着けろ」


小汚い男ってのが気に食わないが、このままゼンイチ様の奴隷第1号にしてやる。


「今 持っていない」


目黒がそう言った瞬間、俺は奴の口に手を突っ込み、下の八重歯を掴む。


メキョ


そしてそれを手前に折った。


「ふぐぅ!」


俺も指にわずかな痛みを感じるが、歯を折られた本人は激痛だろ。


歯茎から離れ切れない八重歯を掴んだまま、目黒の口の中でブラブラ曲げる。


「痛えべ?SCMを着けないなら 着けられない口ん中にしちゃうぞ」


目黒はすぐに俺から身を離し、その場から逃げようと走り出した。


だが体勢を立て直すより、俺の方が先に動ける。