0010 文京 ゼンイチ (19/90)
男は土下座する姿勢で倒れ、手で腹を抱えながら地面に頬を着けている。
「はあ は 何なんだお前は」
「てめえこそ 何偉そうに逃げようとしてんだよ」
俺のキレポイントはソコだ。
勝負の提案するだけして、却下したら一方的に逃げようとしやがった。
「気に入らねえんだよ てめえみてえな奴」
男は相変わらず、腹を抱え、地面に頬を着けたまま話し続ける。
「ふっ う こんなことして 俺の仲間が放っておかないからな」
仲間?
負けた奴は腹いせに仲間とか、組とか、をよく出してくるが、そういえばコイツのSCMは何色なんだ?
俺は倒れている男にしゃがみ込む。
「あんたの名前は?」
俺の質問に、男は一瞬の間の後に答える。
「クメガワ 」
「ふうん」
俺は名前を聞きながら、男のケツポケットに見えたサイフを抜き取る。
「おい!」
男が起き上がろうとした瞬間、俺は手のひらの付け根を奴の頭に下ろした。
ゴン
「あだっ!」
奴はコンクリートの地面に思い切り顔面を打ち付ける。