0010 文京 ゼンイチ (16/90)

パチンコ屋にちなんだ勝負だと?俺に構わず、男は話し続ける。


「これから20分打ち続けて 最終的に持っている玉の数を競う勝負だ」


なんだこいつ。言っている意味が分かんねえ。


「ほら 君は今日 とてもツいている」


男の視線の先には、俺が今まで出したドル箱が並んでいる。ザッと6箱はある。


「今まで勝った分は入れないが 今から2000円使う中で より玉を残した方が勝ちだ」


男は次に、俺が座っている台の方を見る。


「君の台は確変中だ 明らかに君の方が有利だろ?」


確かに俺の台は確変中。比べて、男の台はさっきから一向に出ていねえカス台。


「あくまで今のは勝負の提案 決めるのは君だ」


男は最後にそう言って、ただ俺の方をジッと見る。


勝負の内容は、今から20分間、2000円を使って、より玉を稼げた方が勝ちって訳だ。なんとなく理解した。


男の台はカス。俺は確変中で有利。なるほど。



「いやだね」



俺がそう言うと、男は細い目を見開く。


「なんでだ?明らかに君が有利だろ?」