0010 文京 ゼンイチ (15/90)


しょうぶだと?



何言ってんだこいつ。一瞬、俺の聞き間違えかと思った。


無理もねえ、パチンコ屋の店内はうるせえし、人の声は聞き取りづらい。


俺はなんとなく愛想笑いしながら、自分の台に顔を向けた。けど奴はさらに話しかけてきた。


「勝負だよ コレの」


そう言いながら、奴は口をわずかに開け、自分の頬を指差した。


その仕草で理解する。


「SCM着けてんのか」


そん時、俺は思わず笑っていたと思う。


「ああ 今は外しているけど」


俺はすぐに携帯を取り出し、GPSの画面を開く。


画面には緑○しか映っていない。つまり俺の反応しか無いということだ。


そうか!SCMを外したら反応が無くなるのか!アラームも鳴らない訳だ。


「あんたが勝負を仕掛けてきたって事は 俺が勝負の内容を決めていいんだよな?」


内心はバクバクだが、ルールを忘れていない自分のクールな発言にシビれるぜ。


「ああ だがせっかくこうやってパチンコ屋にいるんだ それにちなんだ勝負はどうだ?」


「は?」