0010 文京 ゼンイチ (14/90)

その日は仕方無く、駅の方に戻ることにした。いくらGPSを見ても、一向にSCMの反応は無かったしな。


他にやることもねえし、金だけはあったから、俺は駅前のパチンコ屋に入ることにした。


そこで俺の運の良さが、また発揮されたんだ。


何の気なしに入って、適当な台に座っただけたのに、いきなり大当たり!


なんと500円突っ込んだだけで、すげえ連チャンだ。


パチ屋に入ったのは午前中だったが、時間はすでに夕方。


だが連チャンは一向に終わる気配が無い。この調子なら20万以上も夢じゃねえ。


半日何も食わずに座りっぱなしは、さすがに疲れてきたが今日はとことん打って、勝ってやろうと思った。


「勝ってるね」


突然、隣に座っていた男に声をかけられる。ついさっき座ってきたばかりの小汚い奴だ。


「おうよ!」


「いいなあ うらやましいなあ」


「ははっ」


当たり障り無い会話をしながら、男の台を見てみた。男の台は空っきしで、玉もあとわずか。


へっへー。ご機嫌とったって、玉もツキもやんねえぞ?



「その調子で俺と勝負してみないか?」



「は?」