0010 文京 ゼンイチ (5/90)

「何?」


そう言って近寄ったら「ノー!君のことじゃない!」とか「ソーリー!ソーリー!」とか、青ざめた顔で英語で言い訳しだした。


いいや、明らかに俺を見て笑った。肌が真っ黒で黒人みてえだもんな。


「俺は日本人だボケ!」


俺はその2人をとっ捕まえて、人気(ひとけ)の無い大きな公園まで連れて行った。


その時の俺は、金を貸してもらえない怒りや焦りでムシャクシャしていたんだ。


「どいつもこいつもいけ好かねえ マジ死ね ムカつくんだよ」


「いっ!ひぃ!」


俺はそう言いながら、頭抱えてしゃがみ込んだそいつらをサッカーボールみたいに蹴った。


「ビビって何もできねえくせに 自分が安全だと分かると口だけ達者になりやがる」


そんな奴ら、俺が天誅してやる。


「死ねよクソ虫!」


その公園には大きな森や池や体育館もある。


そしてそいつらをボコしていたそこには、美大生が訳分からない絵を描いたコンクリートの壁があった。


「マジ勘弁してくだ ばっ」


ゴン!


俺はそいつらの頭を掴んで、その壁に思いっきりぶつける。


そしてそのまま顔面を筆にして、壁で引きずってやった。