0010 文京 ゼンイチ (4/90)
もちろん俺は、そのキャバクラの店長の募集に合格した。
会長の後継者として。
そしたら面接の終わり際、会長が言ってきた。
「まず 帝王学を学んでもらう為の教育費として 50万必要なんだ」
50万?金を取るのか?
俺が「何の金だ」と聞いても「教育費」やら「デポジット」やら、よく分からないことしか言わない。デポジットって何だ?
だが50万さえ払えば、俺の未来はプラチナ色。それに比べれば50枚の万券なんて折り紙だ。
速効稼いでやるよ。
俺はすぐに知り合いに金を借りに行った。だが速効で断られた。
しかも知り合いに俺が会長になると話したら「ゼンイチ それ騙されてるよ」と言われた。
出世で釣って、金を騙し取ったり雇用者を飼い殺す、新手のドリーム詐欺なんだと。
分かってねえ。こいつロマンを分かってねえ。
俺はそいつん家の机をぶん殴って出て行った。
俺のハッピーを妬みやがって。
その帰り道。夜の繁華街をイライラして歩いていたら、俺を見て笑った2人組がいた。