0009 中野 タイジュ (61/65)

俺は多分、目を大きく見開いて、初めて女の裸を見た子供みたいな目でシヲリさんを見ていたんだと思う。



そんな俺に、シヲリさんは濡れた髪を垂らしてつぶやいた。



「ごめん ごめんなさい」



悲しくて申し訳無さそうなシヲリさんの表情を見て、俺は抵抗するのを完全に止めた。



シヲリさんは中央の奴隷なんだと、実感したんだ。



心臓を直接殴られた様なショックな気持ちを感じた。



同時に、シヲリさんすら失った重い敗北感が、俺の心を際限なく沈ませていくのを感じる。



「シヲリちゃんはジュリア達のだよ」



人が感傷的になってる時に、ジュリアが横から口出ししてきた。



んなこと、分かってるよバカ。



ちくしょう。



なんでシヲリさんの悲しい顔見ると、俺まで悲しくなるんだよ。



俺やっぱシヲリさんのこと大好きなんだ。



腕は1つにまとめられて、俺の顔の横に中央が押さえてる。



俺の足にはジュリアが座っている。



さっきまで中央が馬乗りになってたけど、今はシヲリさんが俺の右肩を押さえて馬乗りになっている。



何だよこの状況。



マジ情けねえ。



体から力が抜けて、なんかもう。



何もしたくなくなった。



    『 カチッ 』