0009 中野 タイジュ (62/65)
口の中のSCMが鳴ると同時に、ジュリアが中央に言う。
「鳴った」
多分、ジュリアのSCMも鳴ったんだろう。ジュリアは次に俺に向かって言う。
「もう抵抗するのは止めて」
もう止めてるだろと思いながら、俺はジュリアを見たまま黙っていた。
「返事は?」
「はい」
俺がそう言うと、ジュリアは俺の足元から離れた。
次に中央も俺の腕を離し、シヲリさんにも俺から離れるように指示をした。
「どうなるかと思ったが よっぽどこの子が好きなんだな」
中央はそう言って、シヲリさんを見た。
シヲリさんはベッドの上で、力無く座っている。
顔に垂れた髪で目は見えないけど、唇が泣く手前の様に歪んでいた。
俺がシヲリさんをただ見つめていると、ソファーに座った中央が話し始める。
「お前が奴隷になって やっと話せる事がある」
俺が奴隷になって、話せる事?まだ何かあるのか?
「俺たちには別に主人がいる」
つまり俺とシヲリさんの主人は中央やジュリアじゃなくて、そいつと言う事か。
確かに気になる。