0009 中野 タイジュ (60/65)

「くそ!」



こいつらはゼンイチみたいに、力ずくで俺を負かせようとしてるのか!



「ふざけんなあ!」



俺は体を動かして抵抗した。



我ながら地上に打ち上げられた、海老みたいな動きだと思う。



もちろん中央もジュリアも俺を押さえようとしてきた。


それでも俺は暴れ続け、中央が体勢を崩して、俺からずり落ちた。



ざまあみろと思った時。



「中野ちゃん!起きたの!?」



バスルームから出てきたシヲリさんが、驚いた様子でこちらを見ていた。



シヲリさんはバスタオルで体を巻いている。



「足立シヲリ!彼を押さえろ!」



中央がそう言うと、シヲリさんは一瞬の間の後



俺に近付いて、俺の体を押さえだした。



中央やジュリアには、気にせず手荒な抵抗ができる。



けど、シヲリさんに手荒な抵抗なんて、できる訳ない。



シャワーを出たばかりで、濡れてホカホカしたシヲリさんの肌が俺の目の前にあるんだ。



こんな時でも、俺は風呂上がりのシヲリさんが近付いて喜びすら感じていた。