0009 中野 タイジュ (52/65)
もっと冷静に、よく考えて勝負を見直せば良かった!
勢いと献身だけで、俺は勝負は対等だと錯覚していたんだ。
「悪いな 個人的には心から解放してやりたいんだ」
中央の言葉に、心臓がドクドクと鳴る。
「けど ならあたしとジュリアの勝負はいつまでも終わらない」
俺がそう言うと、ジュリアが二つ折りの携帯を開けたまま、話しだした。
「引き分けは無いと言ったけど 勝負を終わらせる方法はある」
「は?」
バチィン
突然 中央は運転席から体を乗り出し、俺を殴った。
痛みより先に景色が真っ白になり、俺は気絶した。
次に気付いたのは見知らぬ部屋だった。
狭い室内にはソファーやテレビ、すぐ隣にはバスルームに続く扉がある。
俺はベッドの上に寝かされていた。
真っ先にソファーとベッドに座る中央とジュリアが見えた。
混乱しながらもすぐに分かった。
ここはラブホテルだ。
手足はビニールテープで縛られ、すぐ隣にはジュリアがいた。
そしてバスルームからは水が出る音。
誰かがシャワーを浴びている。