0009 中野 タイジュ (49/65)
「りす」
シヲリさんも反射的に返す。
「するめ」
外ではゼンイチが何か叫んでるが、車に近付く度にズシオウマルがゼンイチの首に噛み付き阻止をする。
そんな中、車内では呑気にしりとりをしてる。
シヲリさんは外のゼンイチをチラチラ見ようとしていた。
気になって仕方ない様子は、主人の存在を気にする奴隷として、SCMの影響だろうか。
なんだか笑いそうにさえなる状況だが、みんなの表情は真剣だ。
「めだか」
「からす」
「す すいみん」
開始40秒で、シヲリさんが負けた。
一瞬の間の後、シヲリさんの口の中から『カチカチ』と音が鳴る。
次に表情を苦しそうに曲げ、シヲリさんは目を細めた。
「う ぼ」
シヲリさんは膝元のタオルを口に当て、嘔吐しだした。
「シヲリさん!」
俺は突発的に叫んだが、ジュリアがシヲリさんの背中をさすりながら俺を見る。
「大丈夫 何度も主人が変わると脳への影響で頭痛や吐き気があるけど 一時的な事だから」
そうか。だからタオルを用意したのか。