0009 中野 タイジュ (42/65)
俺が行き着いた答えに、ジュリアも中央も何も言わない。
「何なんだよ!あんた達は!」
俺は車の中で叫んだ。
くそ。ズシオウマルの出現で状況が変わったとは言え、こいつらの様子はおかし過ぎる。
ジュリアも中央も肝心な話や決断が必要な判断になると、人形みたいに喋らなくなる。
まるで主人からの命令を待っている奴隷みたいと言いたいが、ジュリアの反応は主人の赤だった事が引っ掛かる。
同時に、外ではゼンイチとズシオウマルの戦いが続いている。
当たらないパンチや蹴りを放ち続けているゼンイチの動きは、目に見えて鈍くなっていた。
ボクシングなどの試合において、対象に攻撃が当たらない空振りが、最も選手を疲労させると聞いた事がある。
GPSから反応が消えた、ゼンイチとズシオウマルが勝負を始めてから5分強。
ゼンイチは、なかなか当たらない攻撃を繰り返しているのだろう。
かなり疲れている様子のゼンイチに対し、ズシオウマルは相変わらずの素早い動きでヒットアンドアウェイを繰り返している。
必殺こそ無いが、このままならズシオウマルが負ける様子は無い。