0009 中野 タイジュ (41/65)

それでも俺は、衝動的にあの戦いを止めるべきだと思った。


「止めましょうよ!」


後部座席から、運転席の中央に向かって大声を出す。


「あ ああ」


中央が返事を言った直後に、また中央の携帯が鳴った。


今度は電話のようだ。


「はい」


中央はディスプレイに出た名前を見ると、すぐに電話を取った。


こんな時に何、電話してんだよ。


「ああ 犬だ」


「いや 善戦している」


中央は電話の相手に、今の状況を伝えている。


一体誰に電話しているんだ。


電話はすぐに切ったが、中央は俺に顔を向けて言う。


「悪いが 勝負がつくまで様子を見る」


「は?」


どういう事だ。


「今 誰と電話してたんですか?」


俺の質問に、中央は答えない。


「勝負を始めたら教えてくれると言ったじゃないっすか あんた達は主従関係じゃないんですか?」


今度はジュリアに向かって言ったが、ジュリアも何も言わない。


なんだこいつら。


なんで俺の質問に答えない。


中央は電話やメールを受ける度に、指示をされたような行動を取る。


ジュリアは2人の主従関係について、答えようとしない。



まさか



「あんた達 他に主人がいるんじゃ」