0009 中野 タイジュ (13/65)
『 カチャン 』
俺の口の中のSCMから、今まで聞いたことのない音が聞こえた。
自分の奴隷の主人が、違う主人になった時の音だろうか。
その音がしてすぐに、黒人はシヲリさんに思い切りキスをしやがった。
「今から俺の 奴隷な」
そう言うと、黒人は抱いていたシヲリさんをその場に降ろした。
「ゼンイチ様と呼べ」
ゼンイチ。
この黒人男は、ゼンイチっていう名前か。
シヲリさんはその場に崩れるように仰向けに倒れ、体がダランとして動かない。
口元と鼻から出ているよだれと血が、公園のライトで光っていた。
勝負はたった数秒、一方的に終わった。
「おい お前も俺の奴隷になったか?」
黒人が、足の下の俺に聞いてきた。
そうか、こいつはシヲリさんが主人だと思っている。
主人を負かせば、それに付いていた奴隷もまるごと手に入るルールを意識してるんだ。