0009 中野 タイジュ (10/65)

男は真っ直ぐに、小さな公園に入り、こちらに歩いて来る。


その男は肌が黒く、フードをかぶっているが、坊主だと分かった。


体が大きく、黒人みたいだ。


緊張感と恐怖があったが、英語で話しかけらたらどうしようと思った。



「主人はどっちだ?」



日本語かよ。


「何のことですか?今飲み過ぎて気分が悪くて吐いてただけなんです」


俺は女口調のままそう返した。


黒人の雰囲気は何かヤバい感じがする。


絶対にやり過ごした方がいい。



「ふーん」



すると黒人は突然走りだして、俺に掴みかかろうとしてきた。



「逃げよ!」



シヲリさんが俺にそう叫んで突発的に逃げたけど、まだ酔いと薬でフラフラしていたシヲリさん自身は黒人に捕まってしまった。



「お前が主人ぽいな」



黒人はシヲリさんの首を腕で組み、人質みたいにして聞いた。



「離せよ!」



シヲリさんが足や腕で暴れ、黒人に抵抗する。



男は空いた腕で、シヲリさんの顔を



ゴツ!



「ぐぅ」



あの野郎。殴りやがった。