0002 渋谷 サチ (10/18)

準備が終わり、罰ゲームを決める空気になる。


「私達女の子が負けたら一気で 男の子が負けたらシャンパン入れてよ」


ウチが罰ゲームを決めようとすると、ザコがシャシャッてきよった。


「いや 一番負けた奴が 一番勝った奴の言う事を何でも聞くって どうだ?」


「えぇー なんでも?」


「ああ なんでもだ」


こいつ頭おかしいやろ?


「死ねとか無理なんだけどー」


ウチはギャグぽく言ったが「ていうかお前が死ね」って思ってた。


ウチらが柔らかく引いていると、ザコは罰ゲームについてずらずらと説明しだす。こいつマジ面倒くせえ。


結局罰ゲームは『何でも言うことを聞く』に決まった。お前が負けたら、どうしてくれよう。


『 カチッ 』


そんな事を考えていると、また口の中の矯正器具が鳴った気がした。とりあえず、これ終わったら絶対外そう。


ジャンケンで順番を決め、ウチは最後になった。


ザコもザコの友達もジュリアも、難なく灰をこぼさずクリアする。


そしてとうとう、ウチの番になった。